専門性の高い講師陣が、一方通行ではない、生徒の主体性を重んじる教育を行います。
多国籍な先生と接する時間は、多様性を理解し尊重する心も育みます。
日本の学生は自発的に質問をすることが苦手な傾向がありますが、それは、間違うことへの不安や恥ずかしさが先行してしまうからだと思います。しかし本来、知らない・わからないから質問するのであって、間違うのは当たり前。間違うことは恥ずかしいことではなく、むしろ大事なことです。自分が何をわかり、何をわかっていないのか把握でき、疑問が解消されてひとつ理解が進む。間違いから学ぶことは多いのです。
質問とはコミュニケーションであり、積極的に質問を重ねることで、自ら前に進める自信が付き、自分のことを説明できるようになる機会。トライしながら強くなって、将来必要な力を培ってほしいと思います。
今勉強していることが、社会においてどのように関連するのかを知ることで、学びが自分のものとなり、視野が広がると思います。例えば、生物の授業が一見関連がなさそうな世界のニュースとどのように関連するのかを考えさせます。そうすると、点でしかなかった知識が線になり、今まで見えていなかった物事が見えてくる。幅広い視野で物事を見る力が養われることは、自分の将来を考える時にも有効です。そして、生物を学ぶと将来どういう選択肢が考えられるのかということも伝えています。研究だけではなく、園芸や海に関わる仕事でも生物は役立つということを生徒たちはあまり知りません。授業を通じて様々なアイディアを与えることは教師の役割。学びの楽しさや将来進む道と出あうきっかけを作れればと思います。
世の中には多様な考え方や価値観があり、物事の正解は一つではありません。世界で活躍する人材に成長するためには、多様性を受け入れ、感情や主観に流されず、自分の意見に客観性を持ちながら思考できるスキルを身に付けることが重要だと考えています。
そのためにも、授業では生徒が興味を持てるトピックスを投げかけ、積極的に様々なことを知りたいという欲求を刺激するようにしています。例えば、IBプログラムでは、自分でテーマを決めて調べ、考えを論文にまとめますが、それは高校生にとっては難しいことだと思います。課題をクリアしていくためには、物事を覚えるだけではなく「考えるスキル」が必要になります。最初は難しくても、徐々に出来るようになっていきますし、考えることに慣れていきます。様々な情報を自分の力で読み解き、それについて考えて行動できれば、活躍の幅が広がると信じています。
英語は教科の一つであるだけではなく、世界において効果的に機能するツールでもあるので、本校では英語を自由自在に使いこなせることを目標としています。そして、本当に重要なのは、その英語を使ってどのようなコミュニケーションを取るのかということ。自分のビジョンを説明して、他の人へ刺激を与え、そして協力を得ることで、物事を成し遂げることができます。世界中の成功したリーダーたちには、そういった能力が備わっており、有効に活用することができるのです。
そして、コミュニケーションに欠かせないことの一つに、自ら学ぶ力を持つことがあります。強制的に学ぶのではなく、好奇心を持って自主的に学ぶ姿勢を持つことで、知識を得ることが簡単になり、人と知識を共有することに役立つと信じています。そのためにも、生徒の好奇心を刺激できる授業を大切にしています。
本校の生徒たちにも、未来のリーダーとしてコミュニケーション能力を高めていって欲しいです。
自ら学びたいという姿勢を持ってもらうために、生徒の好奇心を掻き立てるような問いを投げかけることが大切だと思っています。教師の説明を聞き、ノートに書くだけというのは学びではありません。どうやって答えに辿り着くのかなど、考え方を自主的に学ぶことが大切だと思っています。たとえ時間がかかっても、自分で努力して解答へと近づく経験を重ねてもらいたいと考えます。
自分の頭で考える力は、将来必ず必要になります。人の意見をふまえつつも、自分のことを自分で考えられる人になって欲しい。
本校は、指導の上で教師に任されている範囲が多いことが特長だと思います。私の授業では、単に何かを暗記させるのではなく、発見や気づきの体験を与えることを重んじています。例えば、幾何学を解いていくと代数が関係してきますが、そうした繋がりを発見できるような問を出すことで、「別々のことだと思っていたことが、実は繋がっていた」という発見ができます。そういった体験を通して、数学の面白さを伝えられたらと思います。
本校の授業は先生から生徒へ一方的な知識を与える教育ではなく、生徒が主体性を持って学べる教育方針が特長です。そのため、授業では、多くのプレゼンテーションやディベートなどを実施しています。私の歴史の授業では、答えの出ないような問を投げかけ、自分と人の意見の違いを知り、哲学的な問答を繰り返すこともあります。常に考え、調べ、自分の意見を伝えることを繰り返すうち、人への伝え方が上手になり、高学年になると、プレゼンテーション資料のまとめ方やデザインは見違えるほど高度なものになっています。生徒には、自分で問題提起をして考え、その意見を発信できる力をしっかり身に付けて、世界で活躍して欲しいと願っています。
生徒は、学年が上がるにつれて自分のやりたいことが少しずつ見えてきますが、それを実現するための具体性がなかなか伴わないこともあります。例えば、ビジネスに興味があっても、どういうビジネスに適性があるか、専門的な知識がなく漠然としてしまう。今の自分が興味を持っていることへの専門知識を深めるために、その分野の専門書を読むことを勧めています。本校では毎朝1時限目の前に読書の時間があり、生徒は全員読書ノートに記録し、自分の考えを見返すことができます。その結果、自分がどういう分野においてビジネスをしたいのか、そのためにどういう知識が不足しているのかなどを説明できるようになり、目標へと近づいていきます。
本校の魅力は、多国籍の先生方がいることで、外見や考え方は各自違っていて当然で「それぞれでいい」という価値観が浸透し、真にボーダーレスな環境にあることだと思います。自ずと教員も常に新しいことを取り入れるチャレンジをし、結果として生徒に多くの学びのチャンスが与えられていると感じます。
私は音楽の授業を通して知識や楽しさを教えるだけではなく、「大人になることも楽しいんだよ」ということも伝えたい。多様性のある本校で伸び伸びと学び、未来を楽しみにしてほしいと願っています。
担当教科の音楽以外に、IBプログラムのCASコーディネーターをしています。CASとは「①Service、②Creativity、③Activity」の略で、3つの活動を網羅するトピックを生徒自身で決めて継続的に活動するものです。この時に担当として重要なのは、生徒自身がやりたいことを見つけ、自主性を持って活動できるようにサポートすることです。それには、生徒の考えを受け止め、問いを投げかけながら伴走することが大切だと思っています。生徒が考えたトピックがたとえハードルの高い内容だったとしても、どうすれば実現できるのか全力でサポートします。そして活動を成功させ生徒の自信に繋げてあげられることが、私たち教師の役割だと思っています。
様々な視点から物事を探究できるような授業を日々心がけています。歴史を学ぶ時には、一つの側面から物事を捉えるのではなく、多様な視点がとても重要です。例えば、歴史的な戦争も、どこの視点から見るのかによって大きな違いがあると言えます。だからこそ、いつ何が起きたのかという単純な暗記の学びではなく、多様な視点を持って探究することが大切だと思います。
生徒の探究心や好奇心を刺激して学びを深めるために、授業では教科書以外にも、映像、インターネット、読み物など様々なツールを使い、生徒自身が決めたトピック調べてまとめ、プレゼンをする時間も多く設けています。
本校には多国籍の教員がいることもあり、日本以外の国や地域に目を向ける機会が多い。つまり、自然と多様性への理解が身に付く環境にあります。日本文化を学ぶプログラムや海外留学など、多様な経験ができる機会に恵まれ、視野を広げるチャンスも豊富です。そのチャンスを自分のものにするためには、様々な情報を読み解く力、いい意味での懐疑心が必要であり、探究心と好奇心を持って自身のスキルを高めることが求められます。そのような力や気持ちが生徒の内側から自然と生まれてくるよう、全力でサポートして行きたいと思っています。
生徒達の可能性を広げるために大切にしたいのは、自己肯定感を高めることです。
かつての日本の教育では、失敗しないように大人がお膳立てをすることが多く、そのことが失敗を経験するという、大切な機会を奪っていたように思います。生徒がたとえ失敗したとしても、その時は一緒に解決策を模索し、できれば失敗すらも楽しめるような柔軟さを身に付けてほしいと思います。そのために、保護者の方と教師がコミュニケーションを取り、彼らの可能性を広げられる環境を用意したいと考えます。
そして、文化背景や価値観が異なる多国籍の先生方との日々の学習活動で、生徒達が多様性を受け入れ、互いを伸ばすことの大切さに気づくよう寄り添っていきたいと思います。
私は情報科を受け持っています。情報科の授業では、コンピューターの機能やプログラミングの仕組みを学ぶことに加えて、世の中に溢れている全ての事柄を“情報”と捉えた時に、それをどう加工し、どう人に伝えるかということも教えます。
特に、社会的課題を見つけ出し、一人で、あるいは協働して熟考し、解決策まで提案する授業を展開するよう心がけています。加えて、本校の多様性に満ちた環境の中、日本の生活や社会にとどまらず世界に還元できるようなアイディアを創造し実践する体験を通じて、学びの楽しさを体感させ、学習し続ける意欲を育みたいと考えています。
その考えの根底には、生徒達には「Student(生徒)」ではなく「Learner(学習者)」になってほしいという想いがあります。世界は今後も加速度的に変化して行きます。この瞬間にある正解が、不正解になる可能性もある世界では、「主体的な学び」を継続できる学習者が新たな解を求められると考えるからです。
本校の教師はこの想いを共有しています。これからも生徒と共に学びながら、自ら学ぶ力を身に付けさせることが、私の使命と考えています。
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