コースや科目の選択・履修例

コースや科目を選択・履修してみて
考えたこと、感じたこと

リンデンホールスクールでは、各人の希望する進路や興味・関心に合わせて、コースや科目を選択できるような仕組みが設けられています。具体的にどんな授業があるのか、コースや科目の選択・履修が生徒達にどんな影響をもたらしたのか、卒業生に聞いてみました。

2023年卒 / IBコース

都築 マリ彩さん
Maria Tsuzuki
UCデービス
(獣医学世界ランキング2位)
畜産・獣医学

「なぜ」を広範囲で追求する姿勢を
身につけられた

私は中学生の時から海外の大学に進学したいと考えていたので、IBコースを選択しました。また、IBの履修を通して本質を見極める力を養いたいと思ったのもIBコースを選んだ理由です。
IBコースで好きだった科目の一つに「History」があります。Historyの授業では、戦争や革命などの出来事を、経済、政治、社会など、様々な要素から視点を変えて見ます。この繰り返しが自分のスキルとなり、歴史のみならず多様な分野において異なる角度から物事を見ることができるようになりました。
また、リンデンホールスクールは一条校*であり、IB認定校でもあるからこそ、日本の教育と外国の教育の両方を学ぶことができました。広く多様な知識を得られる日本の教育のよさに対し、IBのよさは探究したい問題に焦点を絞り勉強することで学べる知識に深さがあることだと思います。これら両方の教育を受けたことにより、「なぜ」を広範囲で追求する物の見方が構築され、グローバルな視点で物事を見ることができるようになったと思います。例えば、日露戦争の戦勝の理由は軍の卓越した指揮や世界情勢などにあると言われますが、その裏にはアメリカやイギリスによる日露戦争への莫大な投資があり、日本が勝つことによってそれらの国々はより大きな利益を得ることができたということなど、歴史を多面的に見ることができます。それぞれの出来事には理由があること、そして世界の関係性は一眼ではわからないことを学び、そうしたことに対する探究心を抱けるようになったのもリンデンホールスクールでの教育があったからだと思います。

※一条校…学校教育法第一条によって定められている教育施設の通称で、幼稚園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校・大学及び高等専門学校を指します。

[当時の時間割]

2023年卒 / IBコース

森永 琳人さん
Rinto Morinaga
国際基督教大学
リベラルアーツ

知識や学びがつながっていくことの面白さ

私はIBの理念や仕組み、様々な大学入試に利用できるという強みなどに魅力を感じてIBコースを選択しました。IBの中で最も魅力的だと感じた仕組みは「CAS*」活動でした。CASでは全ての活動を自分の興味・関心に合わせて計画できますが、決して簡単なことではなく、リーダーシップや行動力、判断力、協調性をもって活動を企画し、実行することが求められました。この経験は大学入試だけでなく、その先の人生においても大きな糧となったと実感しています。
また、今の自分の考え方に影響を与えたと思う授業に「TOK*」があります。TOKでは、受動的に知識を獲得するのではなく、その知識が正しいかを疑問視し、知識を評価や判断して身につける批判的思考力が養われます。知に関する哲学的な問いについて考えたり、クラスメイトと一緒に考えたりする機会があったことが、今でも自分が学ぶ様々なことをクリティカルに考える習慣につながりました。
「Business Management」も好きな授業でした。この授業では企業の活動について学び、問題解決の方法を考えますが、その際に業績や売上といった指標だけで判断するのではなく、倫理的・哲学的な問いかけも含まれます。これはTOKで扱われる考え方です。IBの授業ではこのように、学んだことがさらに別の知識や学びにつながっていくことに面白さを感じました。

※CAS…IBのプログラムの一つ。CASは「創造性(Creativity)」「活動(Activity)」「奉仕(Service)」の3つの要素を含む活動で、生徒は2年間を通し、授業時間外でこのプログラムに取り組みます。
※TOK…IBのプログラムの一つ。TOK(Theory of Knowledge)では「知る」とはどういうことか、正しい知識とは何かといった哲学的な内容を、批判的(クリティカル)に思考し、探求します。

[当時の時間割]

2022年卒 / IBコース

名倉 一葉さん
Hitoha Nagura
岡山大学
医学部医学科

自分の関心を掘り下げ、
考え抜くことの意義深さ

私は英語を活用できる医師になりたいと思い、IBコースを選択しました。IBで選択した科目の一つに「Biology HL」があります。私は医学部に在籍しているのですが、入学して1年目に医学の基礎の一つである「生物学」を学びます。生物学について、基礎だけでなく専門性のあるHL(IBの選択科目における上級レベル、Higher Levelの略称)を既に学んでいたのは、とてもよかったと今になって思っています。
また、IBでのExtended Essay(EE)*の作成はとても思い出に残っています。あれほど深く一つのことを研究し、熟考したことはありませんでした。私は関心のあった「医療倫理」をテーマに選び、クローンや遺伝子操作について調べ、論文を書きました。EEでは自分で選んだテーマについてリサーチし、論旨を考え、論理的に表現することが求められます。ボリュームも英語で4,000語以内と膨大で、書き上げるのはとても大変でしたが、正解がないテーマについて深く考えることはとても有意義でしたし、大切なことだと思いました。大学に入学後、医療倫理をテーマにグループディスカッションをする機会がありました。この時、医療倫理について自分が考えていることを沢山話すことができて、自分自身でもここまで自分の考えを話すことができるのかと驚きました。それは、EEの際に本当に深く考えた経験があったからだと思います。考え抜くことの意義深さを知りました。

※EE…IBのプログラムの一つ。EE(Extended Essay)では、生徒が自分で選んだトピックについて自主的にリサーチを進め、その成果を正式な学術論文の形で発表します。

[当時の時間割]

2019年卒 / TIコース

藤本 匠さん
Takumi Fujimoto
エンブリーリドル航空大学
(航空科学米国ランキング3位)
パイロットコース

将来の夢のために大事だった授業、
進路へのきっかけとなったイベント

私は小さい頃から飛行機関係の仕事に就きたい、パイロットになりたいと思っていました。コース選択ではTIコースを選んだのですが、将来航空力学が必要だったので、科目で言うと「数学」「物理」が大事だと考えていました。この時に身につけた知識は、現在大学でそのまま役立っていると感じています。
また、私の進路に影響を与えてくれたイベントにラウンドスクエア*の大会があります。様々な国の若い人達が集まり、ディスカッションをしたり交流を楽しんだりするというイベントで、使われる言語は英語です。そのイベントで、世界中の色々な場所から人々が集まっているにも関わらず、英語という一つの共通言語によってコミュニケーションが取れるということの素晴らしさに気づき、将来英語を生かして、仕事をしたいと思ったことが、アメリカの大学への入学を決意するきっかけになりました。
中高6年間で一番強く思い出に残っているのは、国語の授業です。当時私は国語が大の苦手科目でしたが、先生は手を差し伸べて丁寧に教えてくださいました。小論文の練習をしていた時には「アイデアはいいけれど、書き方が良くない」など、良いところと悪いところの両方を教えていただき、モチベーションが下がることがありませんでした。国語の先生は厳しい先生でしたが、厳しい分、熱心で、すごく生徒思いでいらっしゃいました。この授業は中高学部でのとても良い思い出です。

※ラウンドスクエア…次世代の国際的リーダーの育成を目的として1966年に設立された国際私立学校連盟。イギリスに本部を置き、50以上の国と地域から約200校が加盟している。本校は2018年から加盟。

[当時の時間割]
中高学部

High School

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