2023.4.12
石橋怜輝さんがQFC-SP(九州大学未来創成科学者育成プロジェクト)での研究結果を、QFC-SP研究成果公聴会と日本金属学会で発表しました。
1. 研究の内容とそのトピックを選んだ理由を教えてください。
火力発電所の蒸気配管に使われる材料の溶接部が、高温条件下で長時間負荷をかけ続けるとどのように変形するのかについて研究しました。この研究は私の担当の先生の専門分野の中で、火力発電所の発電効率上昇に貢献し、エネルギー問題に関連するトピックだったのでこれを選びました。
2. QFC-SPの成果公聴会と日本金属学会で発表した感想を教えてください。
研究活動は、ただ研究すれば良いのではなく、その研究の意義と役割を一般に分かりやすく公開することが求められています。
QFC-SP研究成果公聴会は九州大学未来創成科学者育成プロジェクト(QFC-SP)リサーチ生による口頭発表、日本金属学会での発表は全国から集まった研究者によるポスターセッション形式の発表でした。発表では「研究の意義や何故その手法を選んだのか、その結果、何が分かり、何が分からないのか」を丁寧に説明することを心掛けました。いずれの会場でも専門家の先生方が真剣に話を聞いてくださり嬉しかったです。
また研究者は、その研究が人間や社会、環境などに及ぼしうる影響や起こしうる変化を中立・客観的に公表し、社会との建設的な対話をおこなっていくことも求められています。発表後の質疑応答では、難しい質問に答えることができたと思ったら更に難しい質問が飛んでくるという鍛えられる場でしたが、ハイレベルな議論に身を置くことができ、とても有意義な時間となりました。
ポスターセッションでは最優秀賞を頂き光栄でした。
3. QFC-SP生としての経験は、自分自身にどのような影響を与えましたか?
10年生だった一年目は、主に週末に「九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(WPI-I2CNER)」の研究室に通い化学工学系の研究をおこないました。この研究室は他大学に移ったため、二年目は「九州⼤学大学院 総合理⼯学研究院 (IGSES)」の研究室に週に1~2回ほど学校帰りに通い材料科学系の研究をおこないました。夜遅くまで研究する生活は非常にワクワク楽しいもので、「自分は大学生になったら研究室に住み込むことができる!」と確信するほど夢中になりました。
研究者には、研究活動によって新たな発見を期待され、また社会が抱えるさまざまな課題を解決してほしいという社会からの要請があります。私は「科学技術でより良い世界を実現する」という志を立てています。将来、環境・エネルギー課題解決に寄与する研究者になるために一歩一歩着実に歩みを進めていきます。
私にとってQFC-SPでの経験は非常に大切なものとなりました。この素晴らしい機会をくださった九州大学と先生方にいつか何らかの形で恩返しができればと思います。
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